サッカー競技中にシュートを打った際に股関節に痛みが出た時の写真

目次

グロインペイン症候群とは?

グロインペイン症候群(正式名称:鼠径部痛症候群)とは、股関節前方に存在する鼠蹊部と呼ばれる部位で発生するケガまたは痛みが起こるスポーツ障害。グロインペインはさまざまな原因により鼠径部に痛みが起こるため、大きく5つのケガに分類される。(ドーハの分類)

股関節(鼠径部)の痛みの原因について説明をしている写真

グロインペインの5つの鼠径部痛(ドーハの分類)

内転筋関連鼠径部痛

大腿(太もも)内側を中心に内転筋〜恥骨付着部周囲の痛み、股関節内転動作時の痛みが見られる。

腸腰筋関連鼠径部痛

腸腰筋あたりの圧痛をはじめ、股関節屈曲動作時の痛みが見られる。

鼠径部関連鼠径部痛

鼠径管周囲の痛みをはじめ、腹筋運動を行う際に痛みが見られる。

恥骨関連鼠径部痛

恥骨結合部の圧痛をはじめ、内転動作時や腹筋運動の際に痛みが見られる。

股関節関連鼠径部痛

股関節屈曲運動の際の痛み(股関節唇損傷や股関節軟骨損傷、大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI))などの股関節の関節内で起こる問題。上記の4つに該当しない場合はこの股関節関連の鼠径部痛が考えられる。

特徴

  • スポーツ競技において、サッカーやラグビーなどのスポーツ競技に多く、切り返しやキックなどの動作の際に発症することが多い。
  • グロインペインは一度発症すると競技復帰までに長時間を要することがある。
  • さまざまな原因がきっかけで股関節前方(鼠径部)に広範囲に痛みを発症するため、疾患の鑑別が重要。
  • 疲労骨折、関節炎、脊椎疾患、腫瘍、神経障害、骨端症、剥離骨折などのグロインペインと関係のない危険な疾患の可能性も考えられる。

主な症状

  • 運動時の痛み(キック・シュート時、切り返し時、ランニング時、起き上がり時)
  • 自転車の乗り降り、座位からの立ち上がり、靴や靴下を履く際の動作
  • 股関節のグラグラ感、引っかかり感、筋肉の緊張(こわばり)

グロインペインが起きる4つの原因

グロインペイン(鼠径部痛)が起こる原因について説明をしている写真

原因1:体幹機能の低下(骨盤運動障害)

腹圧について

背骨(脊柱)や骨盤を正しい位置に保つために必要な体幹。体幹機能を保つにはお腹の中の圧(腹圧)が関係しており、腹圧が高いと体幹がきちんと機能している状態といえます。この腹圧が低下することで体幹の機能が低下してしまい、脊柱(背骨)や骨盤が不安定な状態となり、骨盤が傾いたり背骨が歪んでしまうなどの問題が起こります。(反り腰や猫背と言われる状態)。

グロインペインと体幹機能(腹圧)の関係について説明をしている写真

骨盤運動について

腹圧が低下し、骨盤が不安定になると前傾や後傾と呼ばれる状態(骨盤が前に倒れてしまう状態)になり、骨盤が正常な位置を保つことができなくなります。グロインペインに関しては骨盤が前傾した状態となり、骨盤の後傾(骨盤を後ろに倒れる動き)と呼ばれる動きができなくなり、結果、骨盤と大腿骨で構成される股関節の関節可動域が正常に可動することができずに股関節に痛みやケガが起こってしまいます。

グロインペインと体幹機能(骨盤運動)の関係について説明をしている写真


原因2:競技特有の動作(使いすぎ)

キックやシュートなどの繰り返しの動作が股関節周囲に負荷が加わり続けることでグロインペインは発症します。また体幹の機能が低下した状態でのキックやシュートなどの動作はよりグロインペインの発症リスクや重症化などに繋がってしまいます。

シュートやキック時のしすぎにより股関節に痛みが出る原因について説明をしている写真

原因3:成長期に起こる身体の変化(クラムジー現象)

成長期(特に小学高学〜中学)は骨が著しく成長する時期で身体が大きくサイズ変化します。小さかった体が大きくなることで思うように身体をコントロールすることが一時的にできなくなり、今までできていた当たり前の動きができなくなったり、ぎこちない動きをするようになります。この状態でスポーツを続けることで正しい身体の使い方ができなくなり、間違った身体の動きが身につき、ケガをしやすい身体になってしまいます。

Jr.アスリートのスポーツ障害についてケガが急増する時期を説明している時の写真

スポーツ競技中心がきっかけで「使いすぎ・間違った身体の使い方」などがきっかけで運動機能がアンバランスに発達しケガをしやすい身体になってしまうこともあります。

身体への影響とスポーツ活動や競技復帰へのリスク

グロインペイン(鼠径部痛)による股関節の怪我で安静のため松葉杖を処方されている写真

アンバランスな状態でスポーツを続けているとケガによる子どもたちの競技活動や成長や発達にさまざまな影響を与えてしまいます。

  • ケガの増加・再発(繰り返すけが、長引く痛み)
  • 競技の中止(練習や試合の参加中止、競技継続の困難)
  • 運動機能障害(可動域制限、柔軟性低下、パフォーマンス低下)
  • 成長・発達障害(姿勢不良、運動機能低下)

身体やスポーツへの影響を防ぐためにも、成長期の段階から間違った身体の使い方を改善していく必要があります。

対策

股関節周囲に痛みがある場合の対策方法についてお伝えします!

グロインペイン(鼠径部痛)のケガをしないためにストレッチをしている女の子の写真

チェック方法

痛み・熱感・腫脹(腫れ)の有無

グロインペインは股関節前方の鼠蹊部周囲に痛みが見られます。「股関節を動かした際に鼠蹊部周囲に痛みがないか?」「鼠蹊部周囲が腫れや熱っぽさはないか?」をまずは確かめてみましょう!

自宅でできるグロインペイン(鼠径部痛)の痛みの原因を調べるための説明をしている写真。

股関節屈曲チェック

股関節の動かしながら、股関節の中に問題がないかを確かめます。

  1. 仰向けの姿勢の状態で股関節を曲げます。
  2. 股関節を曲げた状態で膝を矢印の方向に動かします。
グロインペイン(鼠径部痛)の痛みの原因を調べる検査方法について説明をしている写真

股関節を指示通りに動かした際に痛みが見られるようでしたら、関節周囲に何か問題が起こっている可能性があります。

腹圧チェック

風船を使って腹圧をチェックしてみましょう!風船を膨らますことができれば、腹圧が高い状態であるため問題はありませんが、風船を膨らますことができない場合は腹圧が低い状態である可能性があります。(風船は市販のものでOK)

体幹機能(腹圧)があるかどうかを風船を膨らましてチェックしている写真

まずはご自身で上記のチェック方法を行い、グロインペインの可能性がないか確認してしてみましょう!

改善方法

炎症がある場合
安静と処置

安静時痛、熱感、腫脹(腫れ)がある場合は股関節周囲の筋肉や腱、関節が炎症を起こしている可能性があります。まずは炎症を抑えるため「安静な時間を作り、練習を一時中止しましょう。

トレーニング(骨盤後傾運動)

骨盤の後傾運動ができるようにすることを目的としたトレーニングになります。※下記の画像を参考に実践されてみてください。

グロインペイン(鼠径部痛)を改善するためのトレーニング方法について説明をしている写真
エクササイズ(クロスモーション)

股関節だけでの運動ではなく、上肢や体幹の動きと連動してスムーズに股関節を動かすことを目的としたエクササイズ。

グロインペイン(鼠径部痛)を改善するためのトレーニング方法について説明をしている写真
炎症の可能性がない場合
痛みのない範囲で練習

股関節の様子を見ながら痛みが出ない範囲内で練習や運動を実施しましょう!※ 症状が悪化する場合はすぐに練習を中止しましょう!

まずは1週間ほど実施していただき、改善するようでしたらそのまま経過を見てみましょう。もし1週間経っても経過が変わらないもしくはさらに悪化するような状態が見られた場合はすぐにかかりつけの先生(整骨院や整形外科)に相談してみましょう!

※ あまり長く経過を見過ぎると、症状の悪化だけでなく回復までに時間を要することにもつながるので、できるだけ早く相談するようにしましょう!

けがや痛みのお悩みは当院にお任せ!!

当院では皆様のけがや痛みのお悩みに対し、以下の流れでお悩みを解決しております!

①検査(痛みや原因の見える化)

超音波エコー検査

当院では超音波観察装置(エコー)を導入しております。エコーは身体の外側からだけでなく身体の内側にある骨・筋肉・靭帯などを観察することができ、より細かいケガの状態た痛みの原因をお調べすることができ、適切な処置・最善の治療方法のご提案でお悩みの症状を改善いたします!レントゲン検査ではわからない痛みの原因を見つけることができるのがエコーの最大の強みです。

野球肘のケガ・痛みで来院された患者さんにエコー検査をしている画像
超音波エコー検査による股関節
グロインペイン(鼠径部痛)なのかを超音波エコー検査機器を使ってしれべている時の写真

運動機能検査(フィジカルチェック)

競技別、年代別で1人1人の運動能力や身体機能の検査を行い、お身体の状態を詳しくお調べいたします。主にケガが起きた原因をお調べしたり、運動やスポーツをする上で懸念されるケガを未然に防いだり、繰り返すケガに対しての再発予防などのケガをしない体つくりを目指します。

グロインペイン(鼠径部痛)の原因を調べることができる検査方法を説明している写真

②施術(ケガの早期回復、痛みの軽減・緩和)

物理療法

骨折、捻挫による靭帯損傷、打撲等の筋肉の損傷などを短期間(最短で2週間〜)で修復しケガを治すことができる治療機器、辛い痛みを瞬時に取り除くことができる治療機器など短期間で症状を改善させることができる整形外科でも取り扱ってない最新の医療設備を導入しております。最新の医療設備で1日も早いスポーツ競技復帰・日常生活復帰を目指します。

野球肘によるけがや痛みを改善するための物理療法について説明をしている写真

徒手療法

関節の硬さや筋肉の柔軟性低下などの運動機能の問題による痛みなどの症状に対し、ストレッチや手技治療などの施術を行い、痛みの軽減や症状の緩和を行います。

野球肘のケガや痛みを取るためにスポーツマッサージをしている写真

※ 当院で行なっている施術はマッサージではありませんので、慰安を目的としたマッサージをご希望の方はお断りさせていただいております。

③アスリハ(ケガの予防・運動機能向上のための体つくり)

当院ではケガからの競技復帰を目的としたアスリートに特化したアスレチックリハビリテーション(通称:アスリハ)を導入しております。ケガ後のリハビリや競技復帰に向けたトレーニングを行うことで、ケガをする前よりも高いコンディショニング(身体機能)を獲得することができ、ケガなくそして長く競技を続けられることが可能となります。「治療をしているが治らない」「痛みがずっと続いている」などのお悩みもお任せください北九州市の整骨院・接骨院でアスリハを導入しているのは当院だけです。

野球肘のケガ・痛みを治すためにリハビリトレーニングをしている女の子の写真
野球肘のケガ・痛みを治すためにリハビリトレーニングをしているジュニアアスリート(女の子)の写真
野球肘のケガ・痛みを治すためにリハビリトレーニングをしているジュニアアスリート(女の子)の写真

ケガこそお任せください!!

おりおスポーツ接骨院では、スポーツ中のケガや運動中の痛み、日常生活で発症する肩・腰・膝などの痛みの症状に対し、治療、運動(リハビリ・トレーニング)を行い、患者様のあらゆるお悩みの解決をサポートしております。またスポーツに特化しており、スポーツでの急なケガの応急処置から改善しないケガや痛みの治療を得意としております!スポーツのケガでお困りの際はいつでもお気軽にご相談・ご連絡ください!

トレーナー活動で中学硬式野球チームにトレーニング指導に行っている時の写真

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