野球肘とは?
野球肘(正式名称:リトルリーガーズエルボー)とは野球の投球動作を繰り返すことで起こるスポーツ障害で肘関節の総合的病名。野球肘は主に「内側型」「外側型」「後方型」の3つに分けられる。
野球肘の3つの分類
内側型
肘関節の内側に起こる野球肘で、前腕の屈筋群や回内筋群の繰り返しの張力(引っ張られる力) により、骨の炎症や骨端核異常、骨端線損傷、内側側副靭帯損傷を発症する。
外側型
肘関節の外側に起こる野球肘で、橈骨と呼ばれる骨の圧迫力や回旋力が繰り返し上腕骨小頭に加わり、離断性骨軟骨炎(OCD)や関節内遊離体(関節ねずみ)を発症する。
後方型
肘関節の後方に起こる野球肘で、加速期からフォロースルー期にかけての牽引力・張力(引っ張られる力)肘頭骨端戦閉鎖遅延、肘頭疲労骨折、上腕三頭筋炎などの症状を発症する。
特徴
- 繰り返しの投球動作により発症することがほとんど。
- 野球肘の中でも内側型(肘関節の内側)が1番多く発症する。
- 成長期である小中学生の子供たちの世代での野球肘の発症が1番多い。
- 内側型と後方型は予後良好だが、外側型は競技復帰に影響することがあるため注意が必要。
- ピッチャーまたはキャッチャーのポジションでプレーをする選手に起こりやすい。
主な症状
- 運投球中、投球後の痛み(投球中止により痛み軽減)
- 関節のロッキング症状(関節が動かなくなる症状)
- 無症状(野球肘を発症するも痛みの症状がない状態)
野球肘が起きる3つの原因
原因1:投球時の牽引と圧迫ストレス
投球動作について
投球動作は大きく5つのフェーズに分けることができ、「後期コッキング期」の肩関節の外旋動作により、肘関節へストレスが加わることで肘のケガが発症します。
- ワインドアップ期:構えてからステップアップの膝が最も高い位置に上がるまで
- 早期コッキング期:ステップアップの膝が最高位に上がってからステップ脚の足底が接地するまで
- 後期コッキング期:足底が接地してから投球側の肩関節が最も外旋するまで
- 加速期:投球側の肩関節が最も外旋してからボールが指先から離れる(ボールリリースする)まで
- フォロースルー期:ボールリリースをしてから投球が終わるまで
牽引力と圧迫力による肘関節への負担
牽引によるストレス(内側型)
後期コッキング期の際に最大外旋することで肘関節に内側に牽引力(引っ張られる力)が加わるストレスが繰り返し何度もかかりことで発症。
圧迫によるストレス(外側型)
後期コッキング期の際に最大外旋することで肘関節に外側に圧迫力・剪断力(ぶつかる力)が加わるストレスが繰り返し何度もかかり発症。
原因2:肩関節の硬さ(可動域制限)
投球動作を繰り返し続けることで野球肘は発症しますが、肩関節の「外旋・内旋」の可動域が狭く、正常な動作ができない場合は特に肘への負担は大きくなりより野球肘が発症しやすくなります。また投球動作をすることが多い「ピッチャー」「キャッチャー」と言われるポジションを担う選手は野球肘の発症リスクが高くなるためより注意が必要となります。
原因3:成長期に起こる身体の変化(クラムジー現象)
成長期(特に小学高学〜中学)は骨が著しく成長する時期で身体が大きくサイズ変化します。小さかった体が大きくなることで思うように身体をコントロールすることが一時的にできなくなり、今までできていた当たり前の動きができなくなったり、ぎこちない動きをするようになります。この状態でスポーツを続けることで正しい身体の使い方ができなくなり、間違った身体の動きが身につき、ケガをしやすい身体になってしまいます。
スポーツ競技中心がきっかけで「使いすぎ・間違った身体の使い方」などがきっかけで運動機能がアンバランスに発達しケガをしやすい身体になってしまうこともあります。
身体への影響とスポーツ活動や競技復帰へのリスク
アンバランスな状態でスポーツを続けているとケガによる子どもたちの競技活動や成長や発達にさまざまな影響を与えてしまいます。
- ケガの増加・再発(繰り返すけが、長引く痛み)
- 競技の中止(練習や試合の参加中止、競技継続の困難)
- 運動機能障害(可動域制限、柔軟性低下、パフォーマンス低下)
- 成長・発達障害(姿勢不良、運動機能低下)
身体やスポーツへの影響を防ぐためにも、成長期の段階から間違った身体の使い方を改善していく必要があります。
対策
肘関節周囲に痛みがある場合の対策方法についてお伝えします!
チェック方法
炎症(痛み・熱感・腫脹(腫れ))の有無
肘関節は「内側」「外側」「後方」のいずれかに痛みが見られます。痛みが見られる箇所に「腫脹(腫れ)」や「熱っぽさ」がないかを確かめてみましょう。もし症状の確認がわからない場合は左右の肘関節を比べながらチェックしてみるとわかりやすいです。
まずはご自身で上記のチェック方法を行い、確認してしてみましょう!
改善方法
炎症がある場合
安静と処置
安静時痛、熱感、腫脹(腫れ)がある場合は肘関節周囲の筋肉や腱、関節、骨が炎症を起こしている可能性があります。まずは炎症を抑えるため「安静な時間を作り、練習を一時中止しましょう。またアイシングを行い、早期に炎症を抑えるよう処置を行いましょう。
炎症の可能性がない場合
痛みのない範囲で練習
股関節の様子を見ながら痛みが出ない範囲内で練習や運動を実施しましょう!※ 症状が悪化する場合はすぐに練習を中止しましょう!
まずは1週間ほど実施していただき、改善するようでしたらそのまま経過を見てみましょう。もし1週間経っても経過が変わらないもしくはさらに悪化するような状態が見られた場合はすぐにかかりつけの先生(整骨院や整形外科)に相談してみましょう!
※ あまり長く経過を見過ぎると、症状の悪化だけでなく回復までに時間を要することにもつながるので、できるだけ早く相談するようにしましょう!
外側型は即医療機関へ!
野球肘の中でも外側型は無症状の場合があり、ケガをしていても痛みがみられない場合があります。痛みがなくても違和感などがある場合は我慢や様子をみるなどはせずに、すぐにかかりつけの医療機関や先生に相談しましょう!
けがや痛みのお悩みは当院にお任せ!!
当院では皆様のけがや痛みのお悩みに対し、以下の流れでお悩みを解決しております!
①検査(痛みや原因の見える化)
超音波エコー検査
当院では超音波観察装置(エコー)を導入しております。エコーは身体の外側からだけでなく身体の内側にある骨・筋肉・靭帯などを観察することができ、より細かいケガの状態た痛みの原因をお調べすることができ、適切な処置・最善の治療方法のご提案でお悩みの症状を改善いたします!レントゲン検査ではわからない痛みの原因を見つけることができるのがエコーの最大の強みです。
外側型野球肘のエコー画像(OCD:離断性骨軟骨炎)
運動機能検査(フィジカルチェック)
競技別、年代別で1人1人の運動能力や身体機能の検査を行い、お身体の状態を詳しくお調べいたします。主にケガが起きた原因をお調べしたり、運動やスポーツをする上で懸念されるケガを未然に防いだり、繰り返すケガに対しての再発予防などのケガをしない体つくりを目指します。
②施術(ケガの早期回復、痛みの軽減・緩和)
物理療法
骨折、捻挫による靭帯損傷、打撲等の筋肉の損傷などを短期間(最短で2週間〜)で修復しケガを治すことができる治療機器、辛い痛みを瞬時に取り除くことができる治療機器など短期間で症状を改善させることができる整形外科でも取り扱ってない最新の医療設備を導入しております。最新の医療設備で1日も早いスポーツ競技復帰・日常生活復帰を目指します。
徒手療法
関節の硬さや筋肉の柔軟性低下などの運動機能の問題による痛みなどの症状に対し、ストレッチや手技治療などの施術を行い、痛みの軽減や症状の緩和を行います。
※ 当院で行なっている施術はマッサージではありませんので、慰安を目的としたマッサージをご希望の方はお断りさせていただいております。
③アスリハ(ケガの予防・運動機能向上のための体つくり)
当院ではケガからの競技復帰を目的としたアスリートに特化したアスレチックリハビリテーション(通称:アスリハ)を導入しております。ケガ後のリハビリや競技復帰に向けたトレーニングを行うことで、ケガをする前よりも高いコンディショニング(身体機能)を獲得することができ、ケガなくそして長く競技を続けられることが可能となります。「治療をしているが治らない」「痛みがずっと続いている」などのお悩みもお任せください北九州市の整骨院・接骨院でアスリハを導入しているのは当院だけです。
ケガこそお任せください!!
おりおスポーツ接骨院では、スポーツ中のケガや運動中の痛み、日常生活で発症する肩・腰・膝などの痛みの症状に対し、治療、運動(リハビリ・トレーニング)を行い、患者様のあらゆるお悩みの解決をサポートしております。またスポーツに特化しており、スポーツでの急なケガの応急処置から改善しないケガや痛みの治療を得意としております!スポーツのケガでお困りの際はいつでもお気軽にご相談・ご連絡ください!
【ご予約・連絡先はこちら】
下記の3つのいづれかからご連絡をお願いします!